感想

22/07/16 【感想】鋼の錬金術師(実写)完結編

献血がそれなりに好きなんですが血を抜こうとしたタイミングでちょうど今年も名取さなちゃんのコラボ献血が始まったので行こうかなと思ったんですが速攻で予約が打ち切られてたので明日普通に地元の献血センターで血を抜こうと思います。

そんな事はともかく、実写ハガレンの話しようぜ!
僕は何度も言ってる通り原作未読でハガレンを見た、友人曰く「邪悪な視聴」をしている男ですが、実際問題原作漫画ありきの実写映画は誰を目的にしてるんだろうとたまに思います。
でもぶっちゃけ、原作読んだ人向けに実写映画って作らないと思うからむしろ僕みたいに原作未読の人間が見て結果として興味を持ったり、原作の話をしたりするために実写映画はあるんじゃないかな!という風に言おうと思ったんですが、どうもなんか友人達(原作読破組)の話を聞くと僕が見聞きしたものとは偉い食い違いを感じたので、多分実写映画は実写映画として楽しむのが正解なのかもしれません。サンは森で、私はタタラ場で生きよう(漫画原作実写映画をタタラ場だと思いこんでいる邪悪なアシタカ)

という事で今日は僕が見てきた「実写版 鋼の錬金術師」についての感想を述べていこうかなと思います。今回は完結編2作、「復讐者スカー/最後の錬金」についてをお話します。2作で1作みたいな扱いの作品だから時系列はごちゃまぜに話すけど気にしないでね!
実は一番最初のやつは感想言ってるから興味湧いたら見てくれよな!

 

 

 

 

 

 

《人間誰しもが持っているネタバレの扉》

 

 

 

 

 

 

 

 

なんか…山田涼介のエドも3作見るといい加減見慣れてきた感じするな…
でも直前に「かぐや様は告らせたい」の実写版を見て、平野紫耀演じる白銀御行を見てきたので「金髪の演出の仕方こっちのほうが似合ってねえ?」って思ったのは内緒です。やっぱり眉毛まできちんと染めるべきだよ! でもアジア顔で金眉毛にすると眉無しみたいに見えるから英断なのかな…
役者は全体的に濃い感じの人を揃えた印象があります。特にこう、アームストロング少佐とか凄い濃い感じする。っていうかなんか前作に比べて登場人物偉い増えてない? 前作がこじんまりとしすぎてただけなのか? こう言っちゃ何だけどエドのお師匠さんとかいきなり出てきてちょっと困惑したよ! TRPGでハンドアウトで知らない知り合いが増えた時と似た気持ちだった。

前作の時点ですでに「賢者の石=人間」というのは解っていたのですが、それを狙いに来たシン国の王子であるリン(演:渡邊圭祐)、そしてアメストリス国に復習を誓うイシュヴァール人のスカー(演:新田真剣佑)を中心として物語が進んでいきます。
なんかスカーが無法なまでに強いんですけど、この作品の国家錬金術師の強さってどれぐらいのレベルなんだろうってふと思ってしまった。とにかく右手から電気流すだけでみんなボコボコにするし色んな物が作用して生き残っていく。友人曰く「スカーとか尸魂界編前の敵やぞ!」って言ってたんですけどなんというかこれは「石田雨竜」と捉えて良いのかもしれない。ほんとか?

リンくんはというと、賢者の石を狙う結果として敵の「お父様」からホムンクルスの力を分け与えられて、エドたちと別行動を取り始めます。でも5分後に合流して「生きてると思ってたぜ」みたいな会話をされてもなんかついて行けねえんだワ! どうもなんか色々あったらしいみたいなやり取りをされた。シレっとグリード(※リンに取り付いたホムンクルス)がリンの父親殺したみたいな話してたけどそれって幕間で流すようなことなのかなあ!?
でもおかげで超強くなってたし、なんか本来は敵方であるホムンクルスと共存関係を築いた結果としてそれが最後の最後でラスボスに一矢報いたのでめっちゃ活躍してました。でも最後にエドがめっちゃみんなに応援されて最後の一撃かますぞー!ってタイミングで急に出てきて「えっここ!?」ってなっちゃったのは内緒です。何というか台本に振り回されてた感じはある。

台本に振り回されてたっていうとやっぱりマスタングディーンフジオカ大佐だろうか。名前が長い。
キング・ブラッドレイ(演:舘ひろし)がホムンクルスと知って軍の内部が腐っていることを気づき、盟友であるヒューズ中佐との約束もあるためアメストリア国を正しく導くために奔走します。
でも道中の活躍が殆どない! 前作はエドより主人公してたのにどうして…いやむしろ活躍しすぎたからなのか?
どっちかっていうと今回は一緒にいるホークアイ中尉のほうが目立ってた気がします。復讐のために悪道に堕ちかけているマスタング大佐を止めたり、視力を「持っていかれた」大佐の目になろうとしたり。というか復讐のためにエンヴィーを殺そうとするシーンが唐突感ありました。いや前作の流れ考えれば当然なんだけど…とにかくこの辺はマスタング大佐の出番の少なさが原因かなあ。

この辺は多分、エドの父親であるヴァン・ホーエンハイム(演:内野聖陽)に尺を割いたのが大きな原因なのかなあと感じました。いやこの作品の結末考えるとむしろここに割くのは当然っちゃ当然だったので、何というかこの分量を2時間×2に収めようとした結果としてマスタング大佐が割りを食ったと考えるのが自然かもしれません。実際活躍が凄かった。
若い頃のホーエンハイムを山田涼介氏が演じてるのがまた良かったですね! とにかくこの映画、タイトルを「ヴァン・ホーエンハイム」にして良いってぐらいの活躍でした。
あと産まれた理由が理由とはいえ、この実質主役とラスボスを同じ役者さんが演じてるのは何というか作り手が解ってますねえ、という感じ。

この映画、わざわざ続編を作っただけあって決して面白くないわけじゃなくむしろ要所要所はすごく唸らせてくるんですけど、全体的に巻きで進行するので感情移入をする前に展開が先に進んでしまうんですよね。マスタング大佐周りはそれが顕著。逆にその中でもリンはかなり頑張ってたほうだと思う。
実際見てて思ったんですが、「復讐者スカー」が露骨に次回につなげるための話だったんですよね。一応ウィンリィの両親を殺したスカーに対して、ウィンリィが復讐の連鎖を断ち切ることでスカーを味方側に引き入れる、という目標は果たしたので必要な話ではあったんですが。
ただ「最後の錬成」の最後の30分が本気で描きたいことが詰まってるというか。直前まで「ヴァン・ホーエンハイム」だった作品がしっかりと「鋼の錬金術師」に戻っていく流れが美しかったなと思います。そして最後にエドが選んだ結末は、原作ありきとしても映画の媒体で見ることで何というか涙を禁じえない…色々あったけど良いラスト(notホムンクルス)だなあ、と思いました。
凄い陳腐なハッピーエンドっぽくも思えるけど、でも少年漫画のラストに相応しい終わり方だったなって思います。僕はこういうわかりやすいハッピーエンドが一番好きだ!

あとバトルシーンの謎スロー演出が「最後の錬成」で全然無いのが良かったですね! 正直、前作や「復讐者スカー」において僕が評価低いのはこの点でして、折角のかっこいいバトルシーンのテンポが削ぎ落とされてるのが勿体ない感じしたんですよね。
でも「最後の錬成」は集大成だけあってか凄くここが良く出来てた! 錬金術バトルにしてもそれ以外の剣戟や銃撃アクションにしても、滅茶苦茶スピード感があってそこがとにかくおもしろく息をつかせない。アームストロング姉弟vsホムンクルス・スロウスとかドキドキさせられっぱなしでしたよ! あとやっぱ舘ひろしがやってるだけあってキング・ブラッドレイの殺陣がまぁかっけえこと! 今更だけどフー(リンの従者の年寄りの人)って筧利夫だったのかよ! 全然気づかなかったわ!
役者の話だと、いつの間にかエルリック兄弟の母親が仲間由紀恵になってる!? 前違う人だったよね!? なんでそこだけ役者変えたの!? いやどっちにしてもチョイ役なんだけどさ!!!
なんというか豪華なメンツで作ってんなあと思います。でもやっぱりアルフォンス役の水石亜飛夢氏が凄く良かったかな。モーションアクターもされてたらしいとのことですが、絶妙な少年声がよくハマっておりました。アルフォンスのCG自体の完成度も高かったし、これは確かに釘宮理恵(アニメ版のアルフォンスのCV)も納得の出来ですわ。

総評すると、「面白くはあったけど勿体ない」って感じの作品でした。これ多分前作からまとめた評価になります。「最後の錬成」の最後の方でようやく纏まった感じがして、それまでは全体的に「原作で良かったであろうシーンを詰め込んだ」みたいな感じがしたんですよね。出来の良い切り抜き映画というか。いやでもそこの出来が良い時点で実写映画としては成功の部類だと思うんだけど。
ただ原作って漫画で30巻分ある分量だから、これをガチで実写映画にしたら3部作じゃ纏まらないんだろうなあって感じがします。折角やるならもうちょい原作で必要な要素を削って劇場版特化仕様にしてもよかったのかもしれないですね。まぁ素人の意見ですけど。
こういうのを見ると、原作を改変したような実写漫画映画が蔓延る理由もなんか解る気がします。

でも3部作全部見るとなんとも愛着が湧くものです。
とりあえず僕もちゃんと原作の方も読んで色々違いを確かめたりしてみますね!
…漫画30巻分を仮に電子で揃えようとすると15,000円って考えると、確かに3部作で5,000円で纏めてラストまで見れる実写映画って、それなりに需要ありそうだよなあ…なんだか世の中に漫画原作実写映画が廃れない理由がわかった気がします(多分違う気がする